Q
草地更新の目安について
A
 「草地がどのような状態になったら更新が必要か?」ということは経営条件、期待する生産量等によって異なるため一概には決定できない。しかし、一応の目安(更新指標)は必要である。草地の更新指標は一部の地域を除いては策定されていない。ここでは草地試験場の調査結果、北海道の更新指標及び各地域で策定中の更新指標等を参考に、植生と土壌から見た一応の目安(試案)を記す。

1. 診断の基準値
 (1)植生診断の基準値
 草地試験場で種々の草地の植生状態とその草地を更新した方がよいかどうかを判定した結果及び北海道その他の地域で策定中の更新指標等を参考に以下の通りとする。
 植生診断は被度(草高が20cmくらいに伸びたときの冠部被度)を基準とする。
 採草地では基幹草種(又は優良牧草、例えばオーチャードグラス、チモシー、アカクローバ等)の被度が70%以上は更新不要域、50%〜70%を更新検討域、50%以下を要更新域とする。さらに雑草被度30%以下を更新不要域、30%以上を要更新域とする。
 放牧地では全牧草被度80%以上は更新不要域、50〜80%を更新検討域、50%以下を要更新域とする。さらにマメ科被度40%以下を更新不要域、40%以上を要更新域、雑草被度30%以下を更新不要域、30%以上を要更新域とする。
 (2)土壌診断の基準値
 北海道の草地更新指標等を参考に以下の通りとする。
 5cm以下の土壌PHが5.5以上を更新不要域、5.0〜5.5を更新検討域、5.0以下は要更新域とする。土壌硬度(山中式硬度計)が22mm以下を更新不要域、22〜26mmを更新検討域、26mm以上を要更新域とする。

2. 草地更新の目安
 対象草地の植生及び土壌調査を行い、前記基準値と比較する。植生あるいは土壌のいずれかが要更新域の場合、及び植生、土壌の両者とも更新検討域であったら更新が必要と判定する。どちらか片方が更新検討域の場合は更新検討と判定し、施肥管理や利用法の改善で回復可能かどうかを判断して、回復が不可能と考えられる場合は更新を行う。
 表1に採草地(兼用草地)の更新の目安、表2に放牧地の更新の目安を示した。
 なお、草地更新の有無に係わらず牧草栄養の診断及び管理利用法の診断も行う必要がある。
回答者
草地管理研究室 原島徳一
登録年月日
1996年03月28日
図表
表1.採草地(兼用草地)の更新の目安
表2.放牧草地の更新の目安
参考文献