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豚の胃潰瘍について |
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| A |
1.原因および症状
豚の胃潰瘍は酸によわい胃食道部粘膜が胃液によって消化されておこる。胃潰瘍は導入直後の繁殖育成豚、妊娠末期から授乳期の母豚そして肥育豚で発生しやすい。 発症豚は体表そう白となり、黒色硬固な兎ふん状の便を排せつする。急性経過では、タール便を排せつし死亡する。また、慢性経過では発育の低下や削痩が認められる。 2.発生要因 本来、胃食道部は食物が貯留・充満し、胃食道部粘膜までは胃液がとどかない。しかし、粗繊維含量の少ない飼料や微細粒度の飼料を給与すると、胃液と摂取した飼料とが混りやすく流動化し、胃食道部粘膜が胃液にさらされることになる。 最近、消化率の高い配合飼料が流通するようになり、胃潰瘍の発生が肥育豚で増加傾向にある。これは、給与飼料の質に加え、飼料摂取量に大きな原因がある。 すなわち、飼育頭数、飼料給餌器および給水量のバランスが悪い肥育豚房では、肥育豚が十分な飼料を摂取できない。飼料摂取量が少ないと食糜(かゆ状に飼料)の流動化が進み、しかも強いストレスも加わるので胃潰瘍になりやすい。 このような農場では、胃潰瘍の多発に加え肥育豚の発育が全体的に悪く、消化率の高い飼料を給与しているにも関わらず飼料要求率が著しく悪化する。 3.対策 胃潰瘍は、胃の中で飼料が胃液と良くまざり合わさることによりつくられる。そのため、胃潰瘍の対策にはこの物理的な因子を取りのぞくことが重要である。 すなわち、微細な飼料を投与している場合は、給餌器と給水器の調節に注意し、飼料摂取不足にならないよう注意することが重要である。また、胃潰瘍が多発している場合は、まず配合飼料を粗繊維含量の多いものに変更する。 肥育豚の胃潰瘍は生前に発見することは困難であり、剖検で胃潰瘍と診断することが多い疾病である。したがって、肥育豚舎で死亡した豚は、解剖して胃潰瘍の有無を確認する必要がある。 導入豚は、給餌器や給水器に不なれのために飼料摂取量が少ない場合もあるので、飼料不足にならないよう飼料を床にまくなど工夫する。 繁殖豚は脚弱から飼料摂取量不足となり胃潰瘍になることが多い。繁殖豚の脚弱対策も胃潰瘍の予防となる。 |
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| 回答者 |
北部家畜診療所 渡辺一夫 |
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| 登録年月日 |
2000年03月31日 |
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| 図表 |
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| 参考文献 |
1)小久江栄一:胃潰瘍。豚病学、第4版、454〜459、1999
2)Wondark.J.:飼料の粉砕方法と粒度の均一性が肥育豚の成長、栄養素の消化率および胃の組織に及ぼす影響.科学飼料、41(4)、129、199bv6 |